2012年4月準公演「ヴァルプルギスの夜」

「メイフェアもいいけど、ヴァルプルギスの夜もいいんじゃない?」

春の訪れを待つうららかな午後。
庭を見渡せる大きな窓からは、トーマス・ジンデル博士からのサンザシが一望できた。
固い蕾は、まだ春の訪れは先であると訴えているようでもある。

レディ・キャロラインの唐突な提案に、その場にいたサーヴァントは、みな、発言者である主の顔を見返した。
「あら?なぁに?みんな、きょとんとして」
キャロラインは小首を傾げて、サーヴァントを見回す。

「あの……お嬢様」
「なぁに?ウィル?」
サーヴァントの代表として、バトラーのウィリアムは口を開く。

「メイフェアも何も……いつ、そのようなお話がありましたか……?」
「サンザシを見てたら、メイフェアだなぁって、でも、まだまだ咲かなさそうだなと思ってね。そしたら、春はまだ来ない。ああ、それなら、ヴァルプルギスもいいなって、思って」
「お嬢様……それは、お嬢様の脳内で始まり完結しています……」
「いいでしょ?今、話したんだから!ね?みんなもそう思うでしょ?」

サーヴァントの顔を見渡し、肯定を促すキャロライン。

誰が、主に否やと言えるのだろうか。
サーヴァント達は、一様にお互いに目配せしながら、頷くしかなかった。

「ほら!決定!ヴァルプルギスなら、やっぱり夜よねー。魔女達の夜ですもの!どんな夜会にしようかしら!楽しみね!」
「…………開催まで時間があまりありませんので、簡単な夜会になりますが、宜しいですか?」
「いいわよ。私は楽しめたらいいの!ゲストも、もちろん、みんなもね!」

「かしこまりました」
ウィリアムのその後の小さな小さなため息は、キャロラインの耳には届いていなかった。

さぁ、皆様、魔女達のサバトへようこそ。
季節は冬から春へ、儚く短い夜の宴をお楽しみくださいませ!

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