バックストーリー

「お茶会をするわ」
「…………は?」
唐突な主の言葉に、バトラーのウィリアム・スペンサーは一瞬の間の後、聞き返した。我ながら間抜けな返答であったとやや後悔もしたが、後の祭りであった。
「だから、お茶会をするの」
「お茶会……ですか」
「なにか不満そうね?」
「いえ、そんなことは……ただ、珍しいなとは思いまして」
社交嫌いのキャロライン・ディース伯爵令嬢。
あまりに有名な事実。
社交界デビューしたばかりの年齢で、こんな片田舎のカントリーハウスで年中過ごしている変わり者の令嬢。
「私だって、お茶会の一つや二つくらい開くわ……と言いたいところだけど、シーズンに帰らなかったから、お父様から最低最悪の嫌味満載な手紙が届いたのよ。2〜3シーズンで結婚相手を見付けられなかったら、行かず後家だなんて、誰が決めたのかしらね?」

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