バックストーリー

「……それで、お日にちは?」
「そうねぇ……いつでもいいけど、みんなによるかな」
「は?みんなによる、とは?」
「私が開くお茶会よ?普通のお茶会じゃ、面白くないじゃない」
「……そうでしょうか。普通でも十分貴重で、良いと思いますが」
嫌な予感がする。
こういう予感は悪ければ悪いほど当たる。
しかし、少しでも改善できるよう、水際でわずかでも止めるよう努めることも『この屋敷に勤めるバトラーとしての職務』であることは、悲しいかな、何よりも大事な仕事のうちの一つである。
「お茶を飲みながら、お菓子を食べながら、優雅にお話をして、楽器を演奏して、チェスやカードゲームに興じて……退屈じゃない?」
「そうでしょうか……十分ではないでしょうか」
同じ返答しか出来ない自分の不甲斐なさが情けない。
「退屈よ!そんなのは他のお茶会で嫌っていうくらい、しているもの。いい?お客様をおもてなしするということは、いかにお客様に『楽しんでいただく』かが重要なのよ?」

コメントは受け付けていません。